母のこと

母の命日。子供を亡くしたことを生涯悔い、残された息子には冷たくされ、体調を崩したときはもう手遅れだった。母のことを思うと申し訳ない気持ちで一杯になる。晩年あの屈託なく笑う母の笑顔を見たことがあっただろうか。いつも何かに悩み苦しみどうしようも無いことに愚痴ばかり。その愚痴から逃れたくて席を立つと寂しそうにしていたことを思い出す。

小さなころ 高い熱を出して唸っていたときは氷まくらをつくり、寝ずに額のタオルを替えてくれた。治りかけるとりんごを擦って冷たくしたジェラートを。近所の人と淀川河畔でソフトボールをしたときは、打って走る母に結構運動神経がいいなと思ってびっくりしたこと。守口から引っ越して淀中に入ることになって面接に付き合ってくれたこと。旅ばかりしていた息子が帰る日には何故かいつもごちそうだったこと。大学の音楽サークルの最終コンサート、呼びもしかったのに一番奥の席で見てくれていたこと…。

年を取るということは、段々と親の気持ちに近づいていくということ。年に一度母のことをこうやって思い出す。

雨に濡れる

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